でんぽう皮フ科クリニック:質問集

医療法人社団健信会でんぽう皮フ科クリニック
 Denpo dermatology clinic

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更新日 2019-05-22  Written by Kenichi Denpo

かゆい発疹が出てきました。(季節別)

医師:いつからですか?今までにも同じ症状がありましたか?
   下記の季節による症状の特徴と対策をご覧下さい。

<春 3月から5月>

  • スギ花粉症(スギ花粉飛散時期に眼のかゆみや鼻炎症状を起こします)はありませんか?アトピー性皮膚炎や蕁麻疹などアレルギー症状をお持ちの患者さんは、この時期に症状が悪化する方が多いようです。アレルギー症状はないと思われていてもスギ花粉症の発症として顔面など露出部にかゆみを伴う発疹(スギ花粉皮膚炎)が出現することがあります。アレルギー検査を受けられてアレルゲン(アレルギー症状を起こす物質)の確認をお勧めします。また、スギ花粉を体内に取り込まない予防と同時に治療が必要です。
  • 3月、4月は冬に比べ暖かくなっていますが、まだ乾燥しています。保湿を怠ると、アトピー性皮膚炎や皮脂欠乏性皮膚炎の症状が悪化します。外出前や入浴後にはしっかり保湿して下さい。
  • 開花時期を迎えています。植物を扱う方にかぶれ(接触皮膚炎)があります。原因不明で繰り返しかぶれを起こしている患者さんは、パッチテストで接触源となる植物の同定をお勧めします。
  • 庭の手入れをした後に椿やサザンカなどに発生するチャドクガの幼虫による、強いかゆみを伴い首や腕などに赤いブツブツが出てくる、毛虫皮膚炎があります。
  • 5月より紫外線量が増えてきます。光線過敏症、しみ、光老化によるいぼなどを予防するために、9月頃まで日焼け止めを塗るなど遮光に努めましょう。また保湿も大事です。

<夏 6月から8月>

  • 高温多湿時期になり、あせもが出て来たり、発汗によりアトピー性皮膚炎の症状が悪化します。また、手掌部や足底部にかわむけや汗による湿疹が出てくることがあります。
  • 足にかゆみを伴うかわむけや水疱が出てきた患者さんは、水虫と自己判断せずに、皮膚科を受診し顕微鏡検査を受け診断されてから治療して下さい。水虫以外にも、湿疹、外用薬によるかぶれ(接触皮膚炎)、細菌による二次感染を併発していることなどがあります。
  • 夏期のプールでいぼ(尋常性疣贅)、みずいぼ(伝染性軟属腫)などウイルス性のいぼに感染することがあります。またウイルスによる発熱と発疹などを起こす病気に感染することもあります。
  • 虫刺され、毛虫皮膚炎、海洋生物による皮膚炎、日焼け(日光皮膚炎)、日焼け後にヘルペスなどもあります。
  • 有害な紫外線により手背部や前腕部などにかゆみを伴う赤い小さなブツブツが出てくることがあります(光線過敏性皮膚炎)。

<秋 9月から11月>

  • 日本の9月は、夏と同様の注意が必要です。
  • 夏が終わり10月頃より乾燥時期に入ります。アトピー性皮膚炎や高齢者に見られる皮脂欠乏性皮膚炎の患者さんは、症状が悪化して来ます。外出前や入浴後にはしっかり保湿して下さい。
  • 秋にも毛虫皮膚炎があります。

<冬 12月から2月>

  • 乾燥時期のピークです。アトピー性皮膚炎や皮脂欠乏性皮膚炎の患者さんは、症状が悪化して来ます。外出前や入浴後にはしっかり保湿して下さい。皮膚を直接温める暖房は症状を悪化させます。
  • 寒冷により抵抗力が低下し、帯状疱疹やヘルペスなどの病気にかかる患者さんがいます。ご注意下さい。

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かゆい発疹が出てきました。(部位別)

医師:部位はどこですか?初めに気付いたのはどこですか?
   下記の発症部位におけるかゆい発疹を起こす皮膚病の種類をご覧下さい。

発症部位におけるかゆい発疹を起こす皮膚病の種類。

  • 全身(どこにでも):アトピー性皮膚炎(増悪時)、蕁麻疹、中毒疹・薬疹、とびひ(伝染性膿痂疹)、ウイルス性疾患、虫刺され、疥癬など。
  • :アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、毛染めの染料によるかぶれ(接触皮膚炎)など。
  • 顔面:アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、化粧品や日用品などによるかぶれ(接触皮膚炎)、御本人は気付きにくいのですが皮膚のバリア機能の低下に伴う刺激性皮膚炎など。
  • :アトピー性皮膚炎、装身具・衣服などによるかぶれ(接触皮膚炎)、衣服・汗などによる刺激性皮膚炎、慢性湿疹、毛虫皮膚炎など。
  • 体幹:アトピー性皮膚炎、湿布などによるかぶれ(接触皮膚炎)、体部白癬・皮膚カンジダ症など皮膚真菌症など。
  • :肘と肘うらを中心にアトピー性皮膚炎、光線過敏性皮膚炎、毛虫皮膚炎など。
  • :洗剤などによる主婦湿疹、アトピー性皮膚炎、異汗性湿疹(汗による湿疹)、かぶれ(接触皮膚炎)など。
  • 下肢:膝と膝うらを中心にアトピー性皮膚炎、下腿部を中心に皮脂欠乏性皮膚炎、貨幣状湿疹など。
  • :水虫(足白癬)、異汗性湿疹(汗による湿疹)、外用薬によるかぶれ(接触皮膚炎)など。
  • 外陰部:湿疹、かぶれ(接触皮膚炎)、皮膚カンジダ症など。

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しみを取ってほしいのですが。

  • しみと言っても、雀卵斑(そばかす)、後天性真皮メラノサイトーシス、肝斑、老人性色素斑、炎症後色素沈着などいろいろな種類があり、最善の治療も違います。
  • 皮膚科専門医の診断を受け、光治療、炭酸ガスレーザー治療 、エレクトロポレーション、イオン導入やハイドロキノン外用など自由・自費診療を含めて治療法を選択して頂きます。
  • 当院で老人性色素斑と診断され治療希望の患者さんは、光治療と炭酸ガスレーザー治療のどちらかの治療法を選択して頂きます。顔全体に老人性色素斑が多発している、治療後絆創膏を貼りたくない、治療後直ぐ化粧をしたい、夏の紫外線の強い時期に治療する患者さんは、光治療を選択して頂きます。10月から翌年4月までの時期で、なるべく早く治したい、絆創膏を顔に貼ってもよい患者さんは、 炭酸ガスレーザー治療をお勧めします。 以前当院で炭酸ガスレーザー治療を受けて、治療効果があり、発赤など合併症がなかった方もお勧めします。治療回数が異なります、炭酸ガスレーザー治療は1回(残存時は2回)、光治療(Max G使用)は1〜3回です。なお雀卵斑(そばかす)、後天性真皮メラノサイトーシス、肝斑は、炭酸ガスレーザー治療の適応ではありません。

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ほくろを取ってほしいのですが。

  • まずほくろかどうか皮膚科専門医の診断を受けて下さい。
  • 臨床診断(見て、ダーモスコピーで拡大して、触れて診断)がほくろで、病理組織学的診断(確定診断)を希望される患者さんは、局所麻酔下で皮膚小手術になり、形成外科や病院皮膚科をご紹介します。
  • ほくろを取り除きたいのであれば、自由・自費診療の炭酸ガスレーザー治療をお勧めしています。
  • 炭酸ガスレーザー治療をお勧めできない患者さん
  • ほくろかどうか臨床診断が不明なもの
  • 病理組織学的診断が必要なもの
  • 1cm以上ある大きなほくろ
  • 悪性化する可能性のあるほくろ
  • 炭酸ガスレーザー治療.013.jpg
  • ほくろに炭酸ガスレーザー治療を行った症例
  • 炭酸ガスレーザー治療.014.jpgほくろの炭酸ガスレーザー治療後の経過

このできもの又はしこりを取ってほしいのですが。

  • まず臨床診断(見て、ダーモスコピーで拡大して、触れて診断)をお伝えし、確定診断(病理組織学的診断)をするために局所麻酔下で皮膚小手術を行うことがあります。
  • 現在皮膚小手術は、形成外科や病院皮膚科をご紹介しております。
  • また炎症や細菌による二次感染を起こしている場合は、その治療を優先し治ってから行います。

にきびが治りません。

  • にきびの悪化要因となる生活習慣(寝不足、不規則な生活、過剰なストレスの蓄積、運動不足、過食、糖分と脂分の摂り過ぎ、過度の飲酒、誤ったスキンケア・メイクなど)を見直して頂きます。
  • 難治性の大人のにきびは、ストレスやホルモンバランスの乱れが原因となり、自由・自費診療を含めて治療法を検討して頂きます。
  • <美容形成目的の自由・自費診療>
  • 光治療:皮脂・膿が出やすくなり、にきび菌を殺菌します。中等症以上の患者さんに。
  • エレクトロポレーション:ピーリングプローブにより超音波で肌や毛穴の汚れをミスト洗浄し、アプレシエ(高浸透型ビタミンC誘導体)と水溶性ビタミンE誘導体を導入します。(オプションで他の美容成分も導入できます)皮膚の新陳代謝が促進し美白が浸透、抗酸化・抗炎症作用があります。軽症から重症までの患者さんに。
  • イオン導入:アプレシエと水溶性ビタミンE誘導体を導入します。皮膚の新陳代謝が促進し美白が浸透、抗酸化・抗炎症作用があります。軽症、中等症の患者さんに。 
  • 光治療とイオン導入は、同日に併用出来ます。通常ピーリングを伴うエレクトロポレーションは、光治療の2週間後に行っています。
  • 重症度の基準
  • 軽症は、片顔に炎症性皮疹(赤いブツブツや黄色い膿を持つにきび)が5個以下。
  • 中等症は、片顔に炎症性皮疹が6個以上20個以下。
  • 重症は、片顔に炎症性皮疹が21個以上50個以下。
  • 最重症は、片顔に炎症性皮疹が51個以上。

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足の裏のまめが痛いのですが。

  • 痛いまめには、ウイルス性のいぼ(尋常性疣贅)とうおのめ(鶏眼)があります。
  • まず皮膚科専門医の診断を受け、ウイルス性のいぼは、取れるまで根気よく液体窒素療法を受けて下さい。うおのめはスピール膏を貼り削ります。
  • うおのめの予防は、正しい歩き方とご自分の足に合った中敷きの厚い靴を履くことです。

足指、手指の爪が厚くなってにごり切るとボロボロしてきて爪水虫が心配です。

  • 皮膚科を受診し、顕微鏡検査を受けて下さい。
  • 白癬菌が証明され爪水虫(爪白癬)と診断されましたら、まず下記 外用爪白癬治療剤で治療を開始します。1年以上治療し、白癬菌が陰性にならない、新たな爪が伸びないなど治癒に至らない患者さんは、外用薬の変更又は内服抗真菌薬(テルビナフィン塩酸塩連日投与かイトラコナゾールパルス療法:1週間投与後3週間休薬を3サイクルその後経過観察)へ移行するか治療法を選択して頂きます。
  • 内服抗真菌薬処方前には、肝機能検査など血液検査が必要です。併用禁忌・注意の薬剤がありますので、現在服用されている薬剤をお伝え下さい。
  • 平成26年9月より、新規トリアゾール系化合物であるエフィナコナゾールを有効成分とする日本初の外用爪白癬治療剤(商品名クレナフィン)が発売され、爪白癬に有効な治療法が一つ増えました。1日1回罹患爪全体に塗布しますが、薬剤ボトルの先端にハケがついており爪面に容易に塗り広げることが可能です。また爪甲での透過性に優れ、爪甲内・爪床で高い抗真菌活性を発揮します。なお52週間塗布した結果、日本人の爪白癬の完全治癒率は28.8%(国際共同試験17.8%)、真菌学的治癒率57.1%(55.2%)、健康領域の新たな爪の伸長6.3mm(5mm)というデータがあります。
  • 平成28年4月、爪白癬治療剤 ルコナック爪外用液5%(一般名ルリコナゾール外用液)が発売されました。
  • クレナフィン爪外用液10%とルコナック爪外用液5%は、爪白癬の原因である白癬菌に作用する薬です。薬により白癬菌が消滅しても、変色した爪を改善するものではなく、新しい健康な爪が生え変わるまで根気よく治療を続けて下さい。(爪が生え変わるには、手で半年、足は1年から1年半かかります)
  • なお 爪白癬治療専用ではない外用抗真菌剤の液剤が、有効な症例もあります。

光線療法について知りたいのですが。

  • まず歴史からです。古代エジプトではすでに日光療法が行われ、古代ギリシャでは医学の祖とされるヒポクラテスが日光療法の効果を記しています。日本では、明治41年東大医学部皮膚科土肥博士らが光線治療器を医学界に紹介し、様々な病気の治療に使用されました。その後紫外線療法は、1970 年代のオクソラレンと長波紫外線UVAを使用する PUVA療法全盛期から効果と安全性が追求されて、2000 年代になると311±2nmの波長を使用するナローバンドUVB療法に変わり、対象疾患によっては340から400nmのUVA1が使用されるようになってきました。そして、2003 年頃から、更に限られた部位に対して、ターゲット型光線療法であるエキシマライトによる治療が登場しました。
  • 現在当院で行っている光線療法は、赤外線と長波長・短波長紫外線が照射出来るオールウェーブ太陽灯(2017年10月より赤外線は照射出来ません)を用いた皮膚科光線療法(1994年6月より開始)、ナローバンドUVB療法(2005年8月より開始)そしてターゲット型エキシマライト照射療法(2016年3月より開始)です。
  • 赤外線は温熱作用、長波紫外線は細胞の活性化作用、中波紫外線はアレルギーや免疫の暴走を抑える作用、短波紫外線は殺菌作用があります。
  • ナローバンドUVB療法とターゲット型エキシマライト照射療法の保険適応疾患は、尋常性乾癬(爪乾癬)、類乾癬、掌蹠膿疱症、菌状息肉腫(症)、悪性リンパ腫、慢性苔癬状粃糠疹、尋常性白斑、アトピー性皮膚炎です。

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手掌・足底、腋窩の汗が多くて困っています。

  • 多汗症とは、体温調節に必要な発汗の範囲を超えて過剰に発汗が認められ、日常生活に支障を来す場合に診断します。多汗症が問題となるのは、原因不明の局所的な発汗が半年以上続いている場合です。
  • 分類:全身性と局所(身体の一部)、原発性(特発性)と続発性
  • 全身性は、高温環境、重労働、肥満、有熱性疾患、体温調節中枢刺激、薬剤などが原因です。
  • 局所多汗症:手掌足底(掌蹠)、腋窩、前額、鼻尖、乳房間部などに多い。特に、掌蹠多汗症は情緒不安定、精神的緊張状態を基盤にして発症することが多いようです。
  • 続発性は、感染症、内分泌代謝異常(甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫など)、神経疾患、薬剤性、薬物乱用などで見られます。
  • 局所多汗症の診断基準:半年以上続き、6項目のうち2項目以上あてはまる場合
  • (1)最初に症状がでるのが25歳以下であること。
  • (2)対称性に発汗がみられること。
  • (3)睡眠中は発汗が止まっていること。
  • (4)1週間に1回以上多汗のエピソードがあること。
  • (5)家族歴がみられること。
  • (6)それらによって日常生活に支障をきたすこと。
  • 局所多汗症の重症度判定:(3)と(4)が重症>
  • (1)発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない。
  • (2)発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある。
  • (3)発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある。
  • (4)発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある。
  • <治療法>
  • 塩化アルミニウム液:使用法については、診療科目 掌蹠多汗症を参照下さい。
  • イオン導入(イオントフォレーシス、イオントフォレーゼ)。
  • ボツリヌス毒素局注療法:当院では未実施。
  • 胸腔鏡下胸部交感神経遮断術:当院では未実施。
  • 内服療法(1)〜(3):原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版では、頭部・顔面の多汗症に試してもいいとされています。
  • (1)精神的緊張により発汗が強くなる方に、グランダキシン錠。
  • (2)止汗作用のある黄耆を含む漢方薬(黄耆建中湯、十全大補湯、防已黄耆湯、補中益気湯など)。
  • (3)塩化アルミニウム液外用、イオン導入そしてボツリヌス毒素局注療法が無効で、頭部顔面多汗症を含めた全身性多汗症の患者さんに、プロ・バンサイン錠15mg内服という選択肢があります。
  • 掌蹠多汗症に、塩化アルミニウム液またはイオン導入(併用可)、重症例又は無効例に塩化アルミニウム液の密閉療法、ボツリヌス毒素局注療法、胸腔鏡下胸部交感神経遮断術があります。
  • 腋窩多汗症に、塩化アルミニウム液、重症例又は無効例にボツリヌス毒素局注療法(保険適応)、各々単独で無効例に塩化アルミニウム液とボツリヌス毒素局注療法の併用があります。